クッション値とは?JRA公式データから読み解く馬場の硬さと競馬予想への活用法
競馬予想において「クッション値」は、芝コースの硬さを客観的に把握するための重要な指標です。このページでは、JRA中央競馬の実データ(2020年7月〜2025年)を分析し、クッション値の意味から実際の予想への活用方法まで詳しく解説します。
クッション値とは
クッション値とは、JRAが発表する芝コースの硬さを示す数値です。
- 数値が大きい = 芝が硬い(クッションが効いていない)
- 数値が小さい = 芝が柔らかい(クッションが効いている)
計測は専用の機器(クレッグハンマー)で芝コースに重りを落下させ、その反発力を数値化しています。JRAでは2020年から本格的に公開を開始しました。
クッション値を見るべきタイミング
クッション値は基本的には「良馬場」のときに確認する指標です。
- 良馬場:クッション値で硬さの違いを確認 → 高配当のチャンスあり
- 稍重・重・不良:通常の馬場判定で十分
同じ「良」でも6.9〜12.2と幅があり、この違いが予想の差になります。
【実データ分析】馬場状態別クッション値の実態
当サイトでは、JRA全10場の芝レースを対象に、クッション値と馬場状態の関係を分析しました。
| 馬場状態 | レース数 | 平均 | 中央値 | 最小 | 最大 |
|---|---|---|---|---|---|
| 良 | 5,816 | 9.3 | 9.4 | 6.9 | 12.2 |
| 稍重 | 1,099 | 8.7 | 8.9 | 6.2 | 11.2 |
| 重 | 473 | 8.4 | 8.4 | 5.4 | 10.8 |
| 不良 | 110 | 7.7 | 7.9 | 5.4 | 9.9 |
※中央値:データを小さい順に並べた時の真ん中の値。平均値より極端な値の影響を受けにくい
分析結果のポイント:
- 良馬場の中央値は9.4、つまり「9〜10」が標準的な良馬場
- 馬場が悪化するほどクッション値は低下(雨で芝が緩むため)
- 良馬場でも6.9〜12.2と幅があり、同じ「良」でも硬さは様々
クッション値の目安【データに基づく基準】
良馬場のパーセンタイル分析から導き出した、実践的な目安です。
| クッション値 | 評価 | 出現割合 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 10.2超 | かなり硬い | 約10% | スピード型有利、高速決着 |
| 10.2〜9.7 | やや硬い | 約15% | 時計出やすい |
| 9.7〜9.2 | 標準 | 約50% | バランス型の馬場 |
| 9.2〜9.0 | やや柔らかい | 約15% | パワー要求高め |
| 9.0未満 | 柔らかい | 約10% | パワー型有利、時計かかる |
JRA公式基準との比較:
JRAの公式基準では「8〜10が標準」とされていますが、実データでは良馬場の約62%が9〜10の範囲に集中しています。良馬場では「9台」が最も標準的なクッション値と言えます。
競馬場別クッション値(硬さ)ランキング【良馬場時】
競馬場によってクッション値の傾向は大きく異なります。
| 順位 | 競馬場 | 平均 | 中央値 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 京都 | 10.0 | 9.9 | 最も硬い。スピード型有利 |
| 2 | 中山 | 9.8 | 9.8 | 硬め。時計出やすい |
| 3 | 中京 | 9.8 | 9.8 | 硬め。高速決着多い |
| 4 | 阪神 | 9.6 | 9.7 | やや硬い |
| 5 | 新潟 | 9.4 | 9.4 | 標準。直線長くスピード勝負 |
| 6 | 小倉 | 9.4 | 9.4 | 標準。小回り先行有利 |
| 7 | 東京 | 9.3 | 9.3 | 標準。安定した馬場 |
| 8 | 福島 | 8.8 | 8.8 | やや柔らかい |
| 9 | 札幌 | 7.7 | 7.7 | 柔らかい。洋芝で独特 |
| 10 | 函館 | 7.5 | 7.5 | 最も柔らかい。洋芝特有 |
注目ポイント:
- 北海道2場(札幌・函館)は圧倒的に柔らかい:洋芝のため、他場と2ポイント以上の差
- 京都は最も硬い:高速決着になりやすい
- 東京は安定:振れ幅が小さく予想しやすい
季節別クッション値の変動【良馬場時】
季節によってもクッション値は変動します。
| 季節 | 平均 | 中央値 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 冬(1-3月) | 9.6 | 9.6 | 硬め。乾燥しやすい |
| 春(4-6月) | 9.3 | 9.4 | 標準。開幕週は良好 |
| 夏(7-9月) | 8.9 | 9.1 | 柔らかめ。水分含みやすい |
| 秋(10-12月) | 9.6 | 9.5 | 硬め。乾燥しやすい |
季節の法則:
- 夏場(7-9月)が最も柔らかい:降雨が多く水分を含みやすいため
- 冬・秋は硬め:乾燥しやすいため
- 差は約0.7ポイント。脚質予想に影響するレベル
クッション値と馬場発表の関係
クッション値と発表される馬場状態(良・稍重・重・不良)は別の指標です。
| 馬場発表 | 主な判断基準 | クッション値との関係 |
|---|---|---|
| 良 | 含水率が低い | 高め(平均9.3)だが幅あり |
| 稍重 | やや水分多い | やや低下傾向(平均8.7) |
| 重 | 水分多い | 低下(平均8.4) |
| 不良 | 水分過多 | 大幅低下(平均7.7) |
重要な注意点:
良馬場でクッション値が10.0以上なら硬い馬場です。逆に良馬場で8.5未満なら柔らかめの馬場。馬場発表だけでなく、クッション値も必ず確認しましょう。
なぜクッション値が競馬予想に重要なのか
1. 有利な馬のタイプが変わる
| クッション値 | 馬場の状態 | 有利な馬のタイプ |
|---|---|---|
| 10.0以上 | 硬い | スピード型、軽い馬、米国血統 |
| 9.2〜9.8 | 標準 | オールラウンダー |
| 9.0未満 | 柔らかい | パワー型、重馬場得意、欧州血統 |
2. 脚への負担が異なる
- 硬い馬場(10.0以上):脚への衝撃が大きく、故障リスク上昇。ただし時計は出やすい
- 柔らかい馬場(9.0未満):脚への負担は軽いが、パワーが必要。スタミナ勝負になりやすい
3. タイム・ペースへの影響
- 硬い馬場:時計が速くなりやすい → 先行有利になりやすい
- 柔らかい馬場:時計がかかる → 差し・追込が届きやすい
特に硬い馬場ではテン(スタート直後)のスピードが重要になります。テン1Fスピードについては「テン1Fスピードとは?」で詳しく解説しています。
競馬場×季節別クッション値【詳細データ】
各競馬場の季節別クッション値(良馬場時)です。
| 競馬場 | 冬 | 春 | 夏 | 秋 | 年間平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | – | 7.7 | 7.7 | – | 7.7 |
| 函館 | – | 7.5 | 7.6 | – | 7.5 |
| 福島 | – | 8.8 | 8.8 | 8.8 | 8.8 |
| 新潟 | – | 9.5 | 9.3 | 9.5 | 9.4 |
| 東京 | 9.2 | 9.5 | – | 9.3 | 9.3 |
| 中山 | 10.0 | 9.6 | 9.7 | 9.6 | 9.8 |
| 中京 | 9.9 | 9.5 | 9.8 | 9.8 | 9.8 |
| 京都 | 9.1 | 9.8 | – | 10.4 | 10.0 |
| 阪神 | 9.6 | 9.7 | 9.3 | 9.6 | 9.6 |
| 小倉 | 9.3 | 9.2 | 9.4 | – | 9.4 |
※「-」は該当開催なし
活用ポイント:
- 中山の冬(10.0):冬場は特に硬く、先行有利
- 京都の秋(10.4):最も硬い条件。高速決着になりやすい
- 函館の夏(7.6):函館記念など、柔らかい馬場でパワー勝負
予想への実践的な活用方法
ステップ1:過去の好走条件を確認
JRAは開催ごとのクッション値をPDFで公開していますが、過去データを遡って確認するには手間がかかります。
当サイトでは2020年7月以降の全レースを記録していますので、分析結果は今後の記事で順次公開していきます。
- 硬い馬場(10.0以上)で好走歴がある馬 → 今回も硬い馬場なら注目
- 柔らかい馬場(9.0未満)で好走歴がある馬 → 今回も柔らかい馬場なら注目
ステップ2:血統との組み合わせ
一般的に言われる血統と馬場の相性は以下の通りです。
| 血統タイプ | 得意な馬場 | クッション値目安 |
|---|---|---|
| サンデーサイレンス系 | 硬め〜標準 | 9.5以上 |
| ロベルト系 | 柔らかめ | 9.2以下 |
| ノーザンダンサー系 | 柔らかめ | 9.2以下 |
| ミスタープロスペクター系 | 硬め | 9.5以上 |
※上記は一般的な傾向です。当サイトでは実データに基づく血統別分析を「クッション値×血統」シリーズで公開予定です。
ステップ3:脚質との関係
- 硬い馬場(10.0以上):先行馬有利(スピードが活きる、前が止まらない)
- 柔らかい馬場(9.0未満):差し馬有利(前がバテやすく、差しが届く)
クッション値の確認方法
JRA公式サイト
レース当日の馬場情報で確認可能。「馬場状態」のページにクッション値が掲載されています。
競馬新聞・専門紙
多くの競馬新聞でも馬場情報として掲載されています。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| クッション値とは | 芝コースの硬さを示す客観的な指標(数値大=硬い) |
| 見るべきタイミング | 良馬場のとき(稍重以下は通常の馬場判定で十分) |
| 良馬場の標準値 | 9.2〜9.7(実データの中間50%) |
| 競馬場差 | 函館(7.5)〜京都(10.0)で2.5ポイント差 |
| 季節差 | 夏(8.9)〜冬(9.6)で0.7ポイント差 |
| 予想への活用 | 良馬場の中での硬さの違いで高配当のチャンスあり |
クッション値は、馬場発表だけでは分からない「馬場の硬さ」を数値化した指標です。良馬場の中での硬さの違いに注目することで、予想精度の向上が期待できます。
よくある質問
Q. クッション値はどこで確認できますか?
A. JRA公式サイトの馬場情報ページで、当日のクッション値を確認できます。
Q. クッション値が高いと何が変わりますか?
A. 馬場が硬くなり、スピード型の馬が有利になります。時計も出やすくなります。
Q. 良馬場なのにクッション値が低いことはありますか?
A. あります。良馬場でも6.9〜12.2と幅があり、同じ「良」でも硬さは様々です。
Q. 過去レースのクッション値はどこで調べられますか?
A. JRAがPDFで公開していますが、1レースずつ確認する必要があります。当サイトでは2020年7月以降のデータを蓄積し、分析結果を順次公開しています。
※本記事のデータは2020年7月〜2025年のJRA中央競馬10場の芝レースを対象に独自集計したものです。
この記事に関するご質問・ご意見がありましたら、お気軽にお問い合わせください。


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